「ミニテル」サービス終了 Fin de service du Minitel

フ ランスで、今日のインターネットの先駆けとも言える「ミニテル」が6月30日にサービスを終了しました。ミニテルとは、フランステレコム(日本のNTTに 相当する会社)が1980年代に開発した情報通信サービスのことです。当時は各家庭にモノクロ画面の端末が電話帳代わりに無料で配布され、さらに多機能の ものは、列車や飛行機のチケット購入、ホテルやレストランの予約、オンラインショッピングからチャットにまで利用できました。日本ではまだワープロ専用機 が主流だった頃、すでにフランスでは今日のインターネットと変わらないサービスが提供されていたのです。因みに、日本では1990年代後半から2000年 代初頭にかけて、パソコンがワープロ専用機を急速に駆逐していったのに対し、フランスではこのミニテルがあったために、インターネットの普及が日本など諸 外国より遅れたと言われています。しかし、このミニテルも結局世界的なインターネットの台頭には勝てず、利用者数の大幅減によって売上高も落ち、このほど サービス終了が決定しました。私も1990年代前半のフランス留学時代にこのミニテルで大学の履修登録の一部を行い、フランスは便利だなと思ったもので す。今日、テレビのCMなどで「(詳しい情報は)○○で検索」という言葉がよく聞かれますが、当時フランスではそれと同じように、ミニテルの番号である 「3615 code …」という言葉をよく耳にしました。ニュースで久しぶりにこの「ミニテル」という言葉を聞いて、懐かしさとともに一抹の寂しさも感じた次第です。(2012.7.2-2012.7.6)

カテゴリー: ニュース, フランコフォニーの手帖 Les cahiers de la Francophonie (par フランス語科教員) タグ: パーマリンク