ツール・ド・フランス2012 Tour de France 2012

ツール・ド・フランスとは毎年7月にフランスおよび周辺国を舞台にして行われる自転車レースです。1903年から開催されている歴史の長いレースで、今年で99回目を迎えます。今年は6月30日(土)にベルギーのフランス語圏に属するリエージュ州で開幕しました。その後フランスへと入り、北部に立ち寄った後、東側のドイツ、スイス、イタリアとの国境沿いを南下してさらにスペインとの国境付近に進み、大きくS字を描いた後、7月22日(日)に毎年恒例のパリのシャンゼリゼで最終ゴールを迎えます。コースの総行程は3480kmで、平坦ステージ、アップダウンステージ、山岳ステージなどからなる21個のステージに分かれています。私がこの文章を書いている7月13日(金)は第12ステージが行われていて、選手たちはアルプス山地に程近いサン・ジャン・ド・モーリエンヌ〜アノネ・ダベズィウ間の山岳ステージ226kmを走っているところです。出場選手は全部で198人(22チーム×各チーム9人)で、総合成績1位の選手にはマイヨ・ジョーヌという黄色のかなり目立つジャージが授与されます。今大会の出場選手の中で本命と言われているのは、2011年の前回大会で初優勝したオーストラリアのカデル・エヴァンスさんという方で、今大会はこの方の連覇がかかっています。日本からは新城幸也さんという方がただ一人、ユーロップカーというチームのメンバーとして参加しておられます。私はこのツールはテレビで何度も見ましたが、特に迫力があるのは山岳ステージで、傾斜角30度〜35度というほとんど崖のような上り坂が延々と続く山道を、全くスピードを落とさずにぐいぐい登って行く光景を見ると、到底常人のなせる業ではないとつくづく思います。日本にももちろん競輪という競技が存在しますが、厳しい大自然を相手に文字通り命を張って戦いに挑んでいる姿を見ると、スケールの違いを感じざるを得ません。(2012.7.9-2012.7.13)

カテゴリー: フランコフォニーの手帖 Les cahiers de la Francophonie (par フランス語科教員) タグ: パーマリンク