新井美佐子 (人文学研究科・准教授) 経済に関するジェンダー(社会的、文化的な性別)を研究テーマにしています。そうした「ジェンダー視点」で、例えばフランスの社会を見てみると、いろいろ な発見があります。皆さんも、ご自身の興味、関心の対象に、フランス語を使ってアプローチしてみませんか。きっと何か発見できると思います。 情報(化)社会と言われる現代、フランス語を修得することで、アクセスしうる情報が格段に増加、多様化します。そしてそのことは、豊かな知識や、新たな視 点、広い選択肢、貴重な機会etc.の獲得につながります。「ハードルが高いのでは?」…基礎的な文法事項を理解できれば、辞書を片手に、結構いろいろで きるものです。可能性は皆さん次第!未修外国語学習の機会を、どうぞ積極的に活かして下さい。
奥田智樹 (国際言語文化研究科・日本言語文化専攻・准教授) 私が皆さんの年齢の頃には、文系に大いなる魅力を感じながらも理系を捨て切れずにいました。結局その後思い切って文系に転身し仏文の大学院に進みました が、専門として仏文学ではなく仏語学を選んだのもその経歴と無縁ではなかったと思います。フランス語やフランス文化の世界は、文系的な感性の豊かさと理系 的な論理の精密さを見事に併せ持っており、この両者の狭間で揺れ動いている若い多感な皆さんに必ず何らかの示唆を与えてくれると思います。日々の授業を通 して、そんな過去の自分にも似た皆さんと出会い、語り合えることを楽しみにしています。
小栗栖 等 (人文学研究科・教授)
中世のフランス語とフランス文学が専門です。日本語の古文に相当する、古フランス語で書かれた作品を研究しています。中世と呼ばれる時代の膨大な遺産のうちの、12-13世紀に書かれた物語作品(武勲詩、聖人伝、ロマン、レといったジャンルがあります)だけを研究対象としていますが、それでも、未だに知らないこと、わからないことだらけです。ですから、辞書を引きまくり、参考文献をあさりまくって、作品を読みます。その意味では、現代フランス語の学習に苦労する皆さんと同じようなものです。あ、忘れた! あ、間違えたを繰り返し続けているのです。実を言えば、それは、程度の差はあれ、古フランス語だけでなく、現代フランス語についても同じです。ですから、皆さんが忘れたり、間違えたりしても、とても、文句は言えません。覚えたこと、身についたことが少しずつ増えていけば良いのです。一緒に学びましょう。
鶴巻泉子 (国際言語文化研究科・国際多元文化専攻・准教授)
鳥山定嗣 (人文学研究科・准教授)
フランス近代詩(特にポール・ヴァレリー)を研究しています。言葉には意味だけではなく音やリズムがあり、ある種の音と意味の結びつきには特別の面白みや味わいがある(たとえば北原白秋「五十音」の「なめくじのろのろナニヌネノなんどにぬめってなにねばる」など)、そのようなことに興味を覚えてフランス語の詩を読んでいます。ある言葉、あるフレーズ、あるセンテンスがなんとなく気になって、それを繰り返し発音してみたいと感じたことはないでしょうか。そこにはコミュニケーションの道具とか理解すべき記号にとどまらない、言葉の不可思議な魅力があるように思います。外国語の習得にはもちろん技能の向上という明確な目的がありますが、それを手助けしてくれるのはこうした言葉の不思議さ、遊びの感覚ではないでしょうか。せっかくなら楽しく学びましょう。
BAUMERT Nicolas (ボーメール・ニコラ) (教養教育院・准教授) フランスのアルザス生まれ。2007年から日本に住んでいます。日本の食と飲料についてその習慣を文化地理学的およびアイデンティティー形成の視点からとらえなおす研究を行っています。ストラスブール大学卒業後、大学院ではカナダのケベック州に留学し、その後パリ・ソルボンヌ大学で地理学博士を取得しました。2010年10月から名古屋大学でフランス語とアカデミックライティングの授業を担当しています。
GARRABET Christophe (ガラベ・クリストフ) (人文学研究科・准教授) 私はフランスの中央に位置するリモージュ (Limoges) で育ちました。リモージュは焼き物と七宝で有名であることから、瀬戸と姉妹都市です。大学入学を機にパリに住んでいました。パリ第三大学で文学を専攻し、その後教員としてパリ郊外で国語と文学を教えていました。専門は19世紀フランス文学です。現在は科学と文学の関係を研究しています。2007年から日本に住むことになりました。2019年10月から名古屋大学でフランス語とフランス文学の授業を担当しています。