パリ・プラージュとはパリ市が主体となって2002年から毎年開催している夏のイベントで、セーヌ川沿いの自動車専用道路を1ヶ月間閉鎖して、その場所に大量の砂を敷き詰めて、人工のビーチを作ってしまうというものです。もともとは、夏にバカンスに出かけない人たちに少しでもリゾート気分を味わってもらおうという目的で始められたのですが、パリ市民に支持され続けて今年で11回目を迎えました。今年は7月20日(金)〜8月19日(日)の期間、セーヌ川右岸のPont Neufから市庁舎までの約800mにわたる河岸と、19区のラ・ヴィレット貯水池を挟むQuai de LoireとQuai de Seineで行われています。開催期間中、会場のビーチにはヤシの木が植えられ、水を霧状に出すシャワーやハンモックが設置され、デッキチェアーやパラソルなどが無料で貸し出されます。市民は南国の雰囲気を満喫しながら、水着になって砂浜に寝転んだり、読書や日光浴を楽しんだりすることが出来ます。セーヌ川右岸の会場では、今年は工事のため例年よりも面積が縮小されているのですが、その分楽しめる施設は増えており、ビーチバレーやペタンクのコーナーが用意されているほか、太極拳やフィットネスの指導を受けることも出来ます。また、市庁舎広場では7月27日(金)に開幕するロンドン五輪が連日大画面で中継されます。一方、ラ・ヴィレット貯水池の会場では、カヌーやカヤック、ペダルボートなども体験できるほか、ミニゴルフやマウンテンバイクのコースも用意されています。私は2003年に一度だけ行ったことがあります。当時は現在ほどは遊戯施設が充実していませんでしたが、それでも多くの人たちが寛ぎに来ていて、夏もバカンスに出かけない者同士の不思議な連帯感のようなものを感じました。パリは時々こういった粋なことをして私たちを楽しませてくれますが、それもパリの魅力の一つと言えるのではないでしょうか。(2012.7.23-2012.7.24)
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