(2013年3月31日公開 / 2016年11月30日更新)
フランス語には é, è, ê, à, ù, ç など、アルファベットに綴り字記号がついたものがあります。こうした文字をパソコンではどのように入力し、どのように利用したらいいのでしょうか。
ここでは Windows 系の日本語版パソコンで、綴り字記号のついたフランス語の文章を書いたり、その文章を電子メールで送ったりする方法を紹介します。
(Macintosh 系のパソコンにはふれていません。ご了承下さい。)
1. フランス語入力
フランス語に特有の文字を入力するための準備と入力の仕方は以下のようです。
1-1. 準備
まず準備です。Windows 10 の場合は以下のように進めます。Windows 7, Windows 8.1 の場合はこちらをご覧下さい。
Windows 10 の場合
設定->時刻と言語->地域と言語->「言語」の項で「言語を追加する」をクリック->「フランス語」をクリック->「フランス語(カナダ)」をクリック
〔あるいは、コントロールパネル(スタートボタンの右クリック〔あるいは長押し〕で表示されるメニューから選択)->時計、言語および地域->言語->「言語の設定の変更」の画面で「言語の追加」をクリック->「フランス語」を選択し、「開く」をクリック->「フランス語(カナダ)」を選択し「追加」をクリック〕
なお「フランス語(カナダ)」は、日本語キーボードでのアルファベットのキー配列と共通性が高い「カナダマルチリンガル標準」というキー配列になります。
以上のように進めると、パソコン画面下のタスクバーの右の方で「日本語」と「フランス語(カナダ)」から入力方法を選択できるようになります。
1-2. 入力の実際
次は、このカナダマルチリンガル標準のキー配列を使って、フランス語に特有な個々の文字を実際に入力することになりますが、その方法については次のページを参照して下さい。
・「パソコンdeフランス語」(「アクサン記号の位置(日本語106キーボード)」の項以下)(「パソコンdeフランス語」トップページはこちら)
・カナダフランス語(マルチリンガル標準)のキー配列(長崎外国語大学戸口民也先生ホームページ)(2016年11月28日追加。上のサイトにはない「 / (スラッシュ)」 の出し方が載っています。一方、「参考までに(アクサンやセディーユつきの文字を入力する方法)」の内容はカナダマルチリンガル標準のキーボードには該当しません。注意が必要です。)
2. フランス語文の作成と利用
2-1. 代表的ソフトウェアの利用
一般的には、日本語を入力する時は、上の 1-1 で見たように、パソコン画面下のタスクバーの右の方で「日本語」を選択します。フランス語を入力する時は、同様に「フランス語(カナダ)」を選択します。
その上で、代表的なソフトウェアで日本語とフランス語の混じった文章や資料を作成する仕方は以下のようです。
Microsoft Word : そのまま日本語とフランス語の混じった文章も書くことができる。フランス語の部分は、フォントも自動的に欧文フォントが選ばれるようだ。
Microsof Excel : そのまま日本語もフランス語も入力できる。ただし、フランス語の部分に欧文フォントを使いたいときは、自分でフォントを変える必要があるようだ。
メモ帳(Windows 付属のエディタ): 日本語とフランス語の混じった文章を書いたあと、「名前を付けて保存」を選択して開く保存のためのウインドウの中で、「文字コード」の欄から、Unicode か UTF-8 を選択する。
WZ エディタ(Windows 系の代表的エディタ): 日本語とフランス語の混じった文章を書いたあと、「名前を付けて保存」を選択して開くウインドウの中で、文字コードとして UTF-8 か Unicode を選択する。あらかじめ次のように文字コードを変更しておいてもよい。表示->オプション->文字コード->UTF-8 を選択。
かつては一般に、フランス語の綴り字記号付きの文字は日本語と両立できず、文字化けが起こるなどの問題がありました。現在では、ユニコード(UTF-8など)に対応した多くのソフトで両者を両立させることができます。
2-2. 電子メールの送り方
電子メールで、綴り字記号付きのフランス語文を送りたい、あるいは、綴り字記号付きフランス語と日本語が混じった文を送りたいときは次のようにします。
1) メールソフトを利用する場合
メッセージの作成の画面で、上に見たようにフランス語と日本語の混じった文を書いて送信します(Outlook など)。ただし、メールソフトによっては、「エンコード」を「Unicode」あるいは「UTF-8」に設定しなければならないものがあります(Windows Live メールなど)。
2) Web メールを利用する場合(ブラウザを用いて電子メールを利用する場合)
Web メールを利用する場合、当該のWebメールシステムがUnicodeに対応していない場合は綴り字記号付きフランス語文の送受信はできません。(例:プロバイダ @nifty のWebメールは Unicode に設定できないようです。)
WebメールシステムがUnicode に対応している場合(名古屋大学全学メールサービスのWebメールは対応しています)は、綴り字記号付きフランス語文も、フランス語と日本語が混じった文も送受信することができます。
例えば、名大全学メールのWebメールでは、ログインした後の「個人設定」の「メールの作成」の設定画面で、「標準の文字セット」を「UTF-8 (Unicode) 」にあらかじめ設定し保存しておきます。
「メールの表示」の設定は、デフォルトの「ISO-2022-JP (日本語)」のままでも、「UTF-8 (Unicode) 」に変更しても、どちらも問題ありません。
電子メールの場合、自分のパソコンのメールソフトの画面では日本語とフランス語が両立していても、相手にそのまま届かないことがありますから要注意です(フランス語文が相手に届いた時には、綴り字記号が取れてしまっていたり、綴り字記号の付いた文字が「?」で置き換えられてしまっていたりすることがあります)。