フランスとフランス語を知るためにオススメの本

 

新入生には第二外国語との出会いが待っています。多くの人には英語以外の外国語ということになります。教科書で新しい言語を学び始めるのと同時に、その言語に支えられて生まれた文化にぜひふれてみて下さい。言語学習への意欲を高めることにもなりますし、学生らしい知的な生活へ踏み出すことにもなるでしょう。

名古屋大学生協南部書籍部で外国語教員の推薦図書を店舗に揃えてくれることになりました。陳列される図書のPOP 広告の推薦文は各言語の担当教員が書きました。フランス語科からの推薦図書と推薦文は以下のようです。こちらでゆっくり推薦文を読んで、生協南部書籍部の店頭で手に取ってみて下さい。(画像はそれぞれの本の出版元のホームページから借用しました。)

 

サンテグジュペリ(稲垣直樹訳)『星の王子さま』平凡社ライブラリー

星の王子さま(平凡社)王子は自分の星で愛した花を思い出して言います。「大事なものというのはねえ、目には見えないんだよ… 花のことと同じだよ。どこかの星に咲く花を君が愛したら、夜、空を見上げるのは、楽しいよ。満天の星という星に花が咲くんだよ」(稲垣直樹訳)。作者による挿絵も秀逸。いずれはフランス語で!

 

『ランボー全詩集』(宇佐美斉訳)ちくま文庫

ランボー全詩集(ちくま文庫)「あれが見つかった / 何が? 永遠 / 太陽と溶け合った / 海のことさ」(『地獄の季節』より、宇佐美斉訳)。ランボーは10代末の数年だけ詩作した19世紀後半の早熟の詩人。この一節はヌーヴェル・ヴァーグの映画監督ゴダールの代表作でも引用された。原語にも挑んでフランス語の美しさも感じてほしい。

 

ブリア=サヴァラン『美味礼讃』岩波文庫 / 海老沢泰久『美味礼讃』文春文庫

美味礼讃(岩波文庫)フランスは言わずと知れたグルメ(gourmet)の国。ブリア=サヴァランはフランス革命のころの美食家で、世界初のグルメ本がこれ。ただし上下2巻の本格派で手強い。ブリア=サヴァランはチーズの名としても有名。一方、海老沢泰久の『美味礼讃』は、日本に本物のフランス料理をもたらした辻調理師学校の辻静雄の伝記で楽しく読める。

 

シュテファン・ツヴァイク(中野京子訳)『マリー・アントワネット』(上・下)角川文庫

マリー・アントワネット(角川文庫)歴史の波に翻弄され38歳の若さで断頭台の露と消えた王妃の素顔は、ごく平凡な一人の女性だった。非情な運命に飲み込まれつつも、最期の瞬間まで愛らしさと優しさを失わなかった彼女の姿に、あなたも共感の涙を禁じ得ないはず。伝記文学の巨匠が膨大な歴史的文献をもとに激動の生涯を克明に掘り起こした古典的名著。

 

『ふらんす』(月刊誌)白水社

雑誌『ふらんす』「フランス語、文学、歴史、思想、映画、食、人物評伝、エッセイ、アクチュアリテなどなど、毎号フランスの古今をお届けします」‐出版社による「看板」に偽りなし!否、フランスのみならず、広くフランス語圏を対象に、硬軟&今昔取り混ぜたトピック満載の月刊誌。1925年から息長く続いているのも納得。

 

カテゴリー: お知らせ, フランコフォニーの手帖 Les cahiers de la Francophonie (par フランス語科教員) タグ: パーマリンク