フランス競馬の伝統あるレースとして知られる第91回凱旋門賞が10月7日(日)に行われました。今回はこのレースに昨年の日本の3冠馬が参戦したことが話題となりました。クリストフ・スミヨンChristophe Soumillon騎手騎乗のオルフェ―ヴルOrfèvreという牝の4歳馬です。この馬は同じ競馬場で行われた前哨戦のフォア賞Prix Foyで優勝したこともあって、有力候補の1頭として日本馬初の優勝の期待が高まっていました。ところが、蓋を開けてみると、実際に優勝したのはオリヴィエ・ペリエOlivier Peslier騎手騎乗のソレミアSolémiaというフランスの馬で、オルフェ―ヴルは惜しくも2着に終わってしまいました。
この凱旋門賞というのは、1920年に始まった競馬の世界最高峰と言われる国際レースで、毎年10月の第1日曜日に、フランスのロンシャン競馬場の中の2400 mの芝のコースで行われます。この競馬場はパリ西方のブーローニュの森の中にあって、世界で1番美しい競馬場と言われています。今年の優勝総額は400万ユーロ(約4億円)で、優勝賞金は220万ユーロ(約2億2千万円)余りと、まさにヨーロッパ王者決定戦にふさわしい高額賞金でした。
日本馬の凱旋門賞への参戦は1969年にスピードシンボリという馬が出たのが初めてです。その後も日本国内で最大級の活躍をした競走馬がしばしば参戦していますが、これまで日本馬は1999年のエルコンドルバサーと2010年のナカヤマフェスタが2着になっているのが最高で、優勝はありません。因みに、アメリカやオーストラリアからの遠征馬も挑んできていますが、ヨーロッパ以外の馬は勝っていません。今回は、北海道白老町生まれのオルフェ―ヴルの精神面での安定を図るための対策として、同郷のアヴェンティーノという牡の8歳馬を日本から同行させ、見知った「先輩」がすぐそばにいることで、日本にいる時と同じような穏やかな気持ちでトレーニングやレースをこなすことが出来るよう万全を期したのだそうです。
当日は東海テレビの日曜夜10時からの「Mr.サンデー」という番組で、このレースの実況中継がリアルタイムで行われていました。今回出走した馬は全部で18頭で、オルフェ―ヴルは大外18番枠からスタートして、序盤はペース配分もあったのでしょうがずっと後方を進んでいて、最後の直線で一気に先頭に躍り出ました。直前まで誰が見ても優勝で、私も思わず見ていて力が入りました。ただ、ゴール間近でなぜか突然スピードが落ち、最後に差されてしまったのです。1着と2着は本当に首の差でした。その瞬間、司会の宮根誠司さんは放心状態といった感じで、滝川クリステルさんは両手で顔を覆っていました。それでも、3着とはおそらく7馬身くらいの相当な差があったと思います。今回は本当に残念でしたが、ぜひ次回に期待したいです。
競馬は賭け事ではありますが、皆さんはもう分別のつく年齢ですし、フランスの伝統文化の一つとして関心をもたれることは決して悪いことではないと思います。ただ、もし馬券を買われるのであれば、やはりご両親からいただいたお金ではなく、ご自分で社会に出て働いて得たお金で買われるべきでしょうね。それから、インターネットなどで国境を越えて馬券を買うことは法に触れるのだそうで、馬券を買うためには現地に行くしか手はないそうです。(2012.10.09-2012.10.12)