ヨーロッパ旅行記
工学部3年 Y.Y. (2012年入学)
2014年の9月8日から21日まで友人3人とヨーロッパを旅行することにした。しかも、自分で旅程を組み立てることにした。ヨーロッパ周遊をしたかったのだが、パリ、バルセロナ、ローマの順に回り、パリにもどってモンサンミシェルを見学して帰るルートを考えた。先にヨーロッパ旅行した友人の旅程も参考にし、日程を考慮したうえでこのような都市になった。ユーロスターでイギリスに行くことも夢だったが、鉄道は時間がかかってしまうことなどがあり今回はやめた。スペインはバルセロナとマドリードで迷ったが、サグラダファミリアに惹かれてバルセロナを選んだ。ローマは、フィレンツェやヴェネチア、ミラノなどたくさんの候補で迷ったが、まず首都から周ろうと決定した。
自分が責任者として、まずJALの販売していた往復航空券を購入し、ホテルはネットのホテル予約サイトから自分で予約した。バルセロナとローマは宿泊先を日本人経営の宿にし、こちらは直接メールして連絡をとって予約した。日本人宿にしたのは、滞在先で詳しい情報を得ようと考えたからだ。フランス国内のホテルは普通のホテルにしたため不安が残った。本当に予約できているだろうかという不安もあった。また、シティパスやメトロのパスなどお得に移動できる方法をいろいろ考えた。
こうして出発を迎えた。9月8日(月)、朝11:00羽田発シャルルドゴール行きの便でフランス、パリに向かう。ゆったりしたシートで12時間の長旅もそれほど苦はなかった。現地時間16:00にパリ到着。海外がはじめての人が多かったので、ホテルまでは安全にタクシーで移動。空港では白タクの勧誘もあり海外の洗礼を受けた。無視するのが常識だが、ついていく友人。なんとか連れ戻してタクシーの絵の方に向かう。タクシー乗り場周辺にも怪しい人がたくさんでどれが公式タクシーかよくわからず…英語もあまりしゃべれず、言われるままにタクシーに。料金メーターは途中で止まり、そのままホテルへ到着。100ユーロの請求。高い気がするが事前にネットで調べた料金(4人、時間帯、スーツケースなどの条件を考えて計算)とだいたい一緒。まぁよしとした。安全に泊まれるホテルに到着しとりあえず一安心。
少し休憩して、作戦会議。フランスといえばエッフェル塔ということで、最初にメトロでエッフェル塔へ向かうことになった。メトロはわかりやすかったがRER(国鉄系の地下鉄)で迷う。苦戦しつつも無事到着。フランス標準時やサマータイムの関係で時計は19:00を指しているが、日本なら16:00くらいの太陽の傾き。エッフェル塔とその周辺をブラブラ。無事到着ということでビールを一杯。ヨーロッパのご飯を食べこの日は終了。
エッフェル塔の夜景
9日(火)。無計画な自分たちは、ホテル、飛行機の時間などしか決まっておらうず、この日の予定はパリ散策。適当に有名どころを回る。まず有名なルーヴル美術館へ。休館日は日本みたいに月曜だろうと勝手に予想していったがルーヴル美術館に行列がない。もしやと思いつつ目の前へ。やはり休館日だった(笑)。仕方なく写真だけをとって、近くのノートルダム寺院へ。 しかし道に迷い苦戦。現在3年生でフランス語力が落ちてしまっているので英語に頼り、英語が喋れる人をさがす。ちょっと残念。人に聞くもスペインからきた からわからない、などと言われる。これもヨーロッパ特有のことなんだなぁと思った。ただ、フランスでは英語は第二言語。いつもペラペラしゃべっているわけではないので聞き取りやすかった。ノートルダム寺院を散策しオルセー美術館に向かう。ここでパリミュージアムパスを購入し、美術品を鑑賞。 美術品には詳しくないので良さはよくわからなかった。近くの(旧)オペラ座の建物もちらっとみた。ヨーロッパらしい建物だった。(まわりも当然ヨーロッパ らしい建物だが…)きれいだった。いろいろ建物を見て2日目は終了。夕食を外食しすぎるとお金がなくなってしまうので、ホテルの前のスーパーでパスタやパ ンやお肉や生ハム、ワインなど購入しホテルのキッチンで調理して過ごした。
ルーヴル美術館
10日(水)。前日休館日だったルーヴル美術館へ向かう。ネットでもたくさん書いてあったが、平日なのにすごい行列でびっくり。しかし前日にミュージアムパスを購入していたので待ち時間0で入場。3日で €60?くらいの少々割高なパスだが入場料を考えると、ちょっとだけお得な気がする。モナリザ、ミロのヴィーナス、ハムラビ法典などなど、教科書でみた作品がたくさん。興味がない自分でも、興奮して楽しめてしまった。なんだかんだ長い時間過ごしてしまった。午後は凱旋門に向かう。すべての道が凱旋門に向かっている光景を確認して興奮。凱旋門前のロータリーみたいな道路。よく事故がおこらないなーと感心した。ミュージアムパスで凱旋門の上に上る。らせん階段の長さにびっくり。パリについてから歩きまくっている僕たちにはきつかった。15時頃のお昼の景色を楽しんだ。シャンゼリゼ通りの美しさも楽しみ、周辺で買い物。買いすぎてしまった。出国前は€1が137円くらいだったレートがこの日くらいから140円を超える。物価も日本とは比べ物にならないくらい高く、レストランで食べると軽く20ユーロは超える。ワインなどちょっと飲んでご飯食べるだけで3000円なんかあっという間になくなる。この日も昨日買っておいたものを調理して食べる。
11日(木)。この日はどうしても行きたかったヴェルサイユ宮殿へ。しかし鉄道の切符の買い方がわからず、困る。駅員に聞くも英語なのでなんとなくしか理解できない。あっているかよくわからないがまぁあっているのだろう、と思いながら切符を買う。親切に乗り換える駅などもメモしてもらいヴェルサイユへ出発。この切符ホントにあっているのかと不安であったが、車内チェックもない。降りる駅でも切符は回収されず出口のゲートしかない。日本とは全然違う。わざわざ高い切符買わなくても来れちゃうじゃないか!と思いながらも、ばれると 5000円?以上の罰金などあるのでおとなしく買った方がいい。昼ご飯を食べていると、突然フランス人から話しかけられる。どうやら日本語の勉強をしている大学生のようだった。コンニチハ!と慣れない日本語でしゃべりかけてきた。どこから来たのですか?など慣れないながらも十分聞き取れる日本語で必死に話してくる大学生。名古屋から来ましたよ!っと言ったけど理解した感じではなかった。日本で有名な都市名なんて東京くらいか…と思い、東京、って言って喜んでもらえばよかったと反省。Your Japanese is good!! みたいな感じで一応ほめておいた。最後に男4人に向かって、かわいいですね!さようなら!といって恥ずかしそうに去って行った。ペラペラではなかったが上手にしゃべっていた。ヨーロッパ人のこういうところ見習いたいと思った。ヴェルサイユは写真の通りすごくきれいな空間。裏の庭園などたっぷり堪能。この旅行で見たかったものがどんどん見られて満足。パリへ戻り夕食。昨日のお昼みつけた日本語のメニューのあるおいしいお店へ。エスカルゴなどめずらしいものを食べたり、サラミ、ステーキ、ワインに満足。(ただお金が心配である…)夜になり外も暗くなり、凱旋門から夜景を見たくなったため急きょ上ることに。またらせん階段。辛かった。でも昼とは全然違う夜景に感動。次の日はパリを離れるため、最後のパリを満喫できた。
ヴェルサイユ宮殿 鏡の間
12日(金)。この日は移動日。オルリー空港へ向かう。行先はバルセロナ。 格安航空による1時間ちょっとの短い空の旅。欠航になるのではないかと少し不安。ネットなどで調べていると格安航空はそれなりにリスキーだ。鉄道駅では、 恒例になったが、チケットの買い方から乗り換えの仕方まで全部教えてもらい出発。無事、空港到着。飛行機もon timeで順調!バルセロナ到着!バルセロナでは、日本人が経営する宿に泊った。当然日本語でやりとりもできるので過ごしやすかった。サグラダファミリアの近くの宿。サグラダファミリアを見ながら名物パエリアを食べる。機内食以来の米の料理。おいしすぎる。サングリアも飲んで満足。ホントにおいしいものばかり食べられて幸せだった。この日は終了。
サグラダファミリア
13 日。バルセロナの世界遺産をみつつ、カンプノウでバルセロナの試合を観戦。こんな経験おそらく人生最後だろう。とても興奮。ただチケット代は 10,000円と高かった。なんでこんなに高いのだろう。おそろしいヨーロッパ。しかしフランスに比べるとスペインのスーパーは安い。隣の国なのにこんなにちがうのか、とギャップを感じた。14日もバルセロナの世界遺産を回る。工事中だったカサミラを除きコンプリートしバルセロナは満喫できた。
15日。この日はローマに移動。同じく1時間ちょっとの空の旅。同じく格安航空。欠航にならず安心した。無事ローマ・フィウミチーノ空港へ到着。空港からは、慣れてきたしお金もないのでバスを使うことに。イタリアの案内表示はイタリア語と英語が使われているが、字が小さくほとんどが絵のマーク。しかも英語もなんかちょっと表現の仕方が違う。まぁ意味は分かるのだがよく見る表現じゃない。バス乗り場もわかりづらい、バスの切符の買い方とかもよくわからない。なんか不親切だなー と思いつつバスで移動。行先はテルミニ駅。よし、到着!とバスを降りた。しかしテルミニ駅じゃなかった。降りる場所まちがえた!(笑)バス行っちゃったし…とりあえず近くの人にテルミニ駅について聞く。しかしあまり英語が通じない。しゃべれそうな人に聞くも、なんか日本人みたいに片言でしか話してくれない。結局、日本から持ってきたWi-Fiを頼りにホテルへ向かう。30分くらいスーツケースを持ったまま歩く。つらかった。ヨーロッパって近いのに国ごとで全然違う。フランス人はだれに聞いても英語できちんと答えてくれた。しっかり教育されてたなー、と痛感。イタリアでは警察官に英語で話しかけるも全然通じない。英語もしゃべれないのかとちょっと不満。(自分も大して話せないのだが。)ローマでも日本人宿。おいしいお店の話とか地図とかいろいろ聞いてご飯を食べる。イタリアでは観光というよりも個人的にはご飯が楽しみであった。おいしいパスタ屋さんへ。お通しのパン、めちゃくちゃおいしい。パスタ、めちゃくちゃおいしい。さすが食にこだわるイタリア。仕事もそれくらいこだわれよと思いつつも、おいしすぎて感動。来てよかった。この日は終了。
16日。バチカン市国へ。見るもの見て、昼ごはん。スパゲティ、やっぱりおいしい。間違いなくヨーロッパ旅行で断トツでおいしかったイタリアン。でも店員は適当。イオンカードにあるWAONの犬を見ていろいろちょっかいかけてくる。お茶目。国によって違いをやっぱり痛感。メインのトレビの泉へ。だが工事中…。夜景はすごいきれいらしいのに。メインだったのですごく残念。次の真実の口はホントにわかりづらいところにあった。入ろうと思ったら何かの撮影中。がんばってスタッフにいろいろ聞き、15時まで待って真実の口へ。よかった。翌日もただずーっと歩いてローマは終了。ごはんがおいしかった。
コロッセオ
18 日。パリへ戻る。最後の格安航空での移動。夜の便なので欠航になったらホテルにもいけない、といろいろ考えながらも無事パリ到着。Sortie など見慣れ たフランス語をみてちょっと安心。1年勉強しただけでも全く知らない言語ではないので安心感がある(しゃべれないが)。ここでもタクシーの客引き。こんどはひっかからない。ホテルへ向かうがトラブル発生。予約したホテルをプリントアウトした紙にある住所についたがホテルがない。相当焦った。しかし、運転手が紙に書いてある番号で電話してくれた。どうやら住所が違ったみたいだ。トラブルはつきものだが実際にあうと相当焦る。結局なんとかなってよかった。この日は終了。
19日。この日はモンサンミシェルへ移動。フランスの中で一番行きたかったのでホテルも高いところを用意し、モンサンミシェルで1泊というもっとも自分がこだわった点である。移動はTGVとバス。日本のサイトではこれが主流みたいなことを書いてあったが、フランスではそうでもなさそうだ。こんな行き方するのは日本だけだと思った。まぁモンサンミシェル自体日本人しか行かないのだが。TGVは新幹線のようなもの。しかし早く予約したおかげで往復30ユーロくらいだった。距離は東京-名古屋くらいもあるのに往復で5000円は相当安い。日本の新幹線の高さがわかった。無事TGVにも乗れた。座席はよくわからず、やさしそうなおばちゃんに聞いて教えてもらった。ありがとう。
レンヌ駅に到着しバスで移動。バス乗り場がわからずまたいろんな人に聞く。モンサンミシェルへ到着。すげえ!!と感動。昼のモンサンミシェルを堪能しホテルへ。ここでこの旅行最大のピンチとなるトラブルが発生。帰国にはドイツ経由のエールフランス運航の便が組み込まれていたが、そのエールフランスがストライキを行っていた。フランスのTV なんか見るわけなく何の情報も入っていなかったが、知らない間にこんなことになっているとは。もしやと思いつつ調べると Cancelled の表示は出ていない。よかった、帰れそう。飛ぶことが確定したわけじゃないが、次の日の朝には最終確定すると書いてあったので、夜のモンサンミシェルを楽しみ、この日は終了。
モンサンミシェル
20 日。朝やけのきれいなモンサンミシェルを見ようと思ったが盛大に寝坊。まぁちょっと太陽が出てきかけたくらいに起きたのでぎりぎりセーフとしよう。さて、昨日から気になって気になってしょうがない帰りの便の運航情報。確定したようなのでチェック。Cancelled になってた。終わった、そう思った。フランクフルト経由は一日にたくさん飛んでいるだろうから大丈夫だろう、と思っていたが、21日のパリからフランクフルトへの便はすべて欠航。これはまずい。滞在期間が延びることも覚悟した。すぐに往復チケットを購入した日航の日本語対応のヨーロッパ窓口に電話し対応。営業開始時間と同時に電話。これが功を奏したのか同じ21日の便を、追加料金等なしで用意してくれた。ありがとうJAL、と感謝しつつ最大のピンチをなんとかすることができた(自分は電話しただけだが)。電話が遅かったら帰国日がずれるなど大事になったと思う。災難だったが貴重な経験ができた。そのままモンサンミシェルを楽しみパリへ。
21 日。15:00パリ出発の予定だったが欠航のため21:00まで待たされる。そして22日、羽田空港到着。日本に帰ってきた。自分がホテル、飛行機などす べて予約したが、ついにやりきった。時間の使い方など下手だったなーと感じつつも無事日本に帰って来れた。羽田空港では自分の好きなように時間を過ごし中部国際空港へ。そして帰宅。
長い長い2週間だった。たった2週間だったが、計画を含めると1か月以上はいろんなことを考え調べ、時間を費やしてきた。自分が計画したので、もちろん自分が行きたかったところやこだわりなどはすべて達成できたが、ほかの3人の2週間も背負っていると考えると、すごい責任感で不安な日々を過ごしたときもあった。しかし、だれも大きな事件には巻き込まれず無事に帰宅できた。(残念ながらミサンガの押し売りの被害にあった人はいるが…(笑))計画しているときは辛かったがやりきれてよかった。こうして初めてのヨーロッパは満喫できた。
訪れた三か国はそれぞれお隣同士だが似ているような似ていないようないろいろ感じるものがあった。英語はフランスでは通じるがイタリアではほとんど通じない。フランス人は、ネイティブほどではないが英語をペラペラ話す。いろいろ違うんだなぁと思った。挨拶も、ボンジュール(フランス)、ボラ(スペイン)はたくさん使ったが…イタリアでは あまり挨拶していないような気がする。これも国の文化なのか。フランスやスペインでは町中であいさつされたのでこっちも返していた。三国しか回っていないがとってもちがうんだなぁと痛感した。学んだフランス語で「トイレはどこ?」などと聞いてみたりもした。(通じたが、この時は英語で返されてしまった。残念。)旅行を通じて、最低限英語はもっと向上させる必要があると思った。自分は理系でこれから英語以外の言語に触れる機会がなくなってしまうが、フランス語でも旅行会話、日常会話はできるようにしておきたいと感じた。